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映画 火喰い鳥を、喰う 原作小説との大きな違いは? 映画オリジナルのセリフや結末まとめ

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映画「火喰い鳥を、喰う」は横溝正史ミステリー&ホラー大賞受賞の原浩さんの小説を原作にしている作品です。

 

夏の信州を舞台に起きた不思議な怪奇現象と出会っていく…とゾクっとするようなホラーです。

 

今回は2025年10月公開の映画「火喰い鳥を、喰う」の原作小説との大きな違いをまとめました!

 

 

 



 

 

 

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い

 

火喰い鳥を、喰うでは実写映画化にあたり、内容をカットしたり、展開を変えたりと異なる点が複数あります。

 

その中でも大きな違いだと感じた点をまとめました!

 

 

★実写映画のネタバレはこちら!

 

dramalife-blues.hatenablog.com

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い ①原作では玄田が久喜家で自殺未遂をする

 

前半の原作と映画の大きな違いといえば、信州タイムスの記者である玄田が久喜家まで来てナタで自分の左手を切り落とすシーンがあります。

 

玄田といえば最初の日記登場のシーンで「久喜貞市は生きている」と語った人物ですが、この行動は久喜貞市の執念に動かされて異常な行動をしたのだと考えられます。

 

結果的に玄田はマラリア熱にかかり、亡くなってしまいました。

 

映画では高熱が下がらずに入院、そして与沢に北斗とつながっていたことを告白する、ということで亡くなったという話はでてきませんでした。

 

久喜の家で、しかもナタで切り落として血しぶきが上がる…というかなりショッキングな原作シーンだったのでどうするのかと思いましたが映画では使われなかったようです。

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い ②原作では伊藤家と墓の石材屋に北斗と行く

 

貞市と同じ部隊におり、生き残った藤村と伊藤。

 

手がかりを探すために雄司と由里子、そして北斗と一緒に伊藤さんの遺族である甥っ子の家に出向きます。

 

伊藤さんの家でスイカを出してもらい、北斗が遠慮もせずにスイカを平らげて由里子に引かれる…というシーンがあるのですが、北斗の空気が読めないところが表現されていて個人的にすごく好きでした。

 

ぜひ宮舘さんにも演じてほしかったのですが、映画では伊藤家に行くシーンはなし。

 

母の伸子が電話で話を聞いた…というのみで終わってしまいました。

 

同じく墓のことを聞くために地元の石材店に行くシーンも原作にはありますが、映画ではカットされていました。

 

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い ③原作では車で与沢が亡くなったのを3人が目撃する

 

信州タイムスの記者である与沢も今回の貞市の思念に巻き込まれて不遇な思いをする一人です。

 

映画では運転しながら雄司とビデオ通話していると突然車の中に炎が上がってしまい、事故で亡くなってしまいました。

 

映画の展開もなかなかに衝撃的なのですが、原作では車が火に包まれて与沢が絶命するところを雄司、由里子、北斗が目にします。

 

3人が乗る車の後ろから与沢が暴走する車がぶつかり、さらに与沢の車は炎上。

 

燃え盛る炎の中に火喰い鳥がおり、与沢の頭をつっつく…という場面を雄司は目撃してしまいます。

 

与沢は変わり果てた姿となり、指を天に刺してうわごとで何かを言うという何かのメッセージを残した形で絶命しました。

 

想像するとかなりグロテスクな最期で読んでいてショックを受ける描写でした。

 

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い ④解呪の儀式の方法が異なる

 

北斗は貞市の呪いを解くために解呪の儀式を「知り合いのペマ師から教えてもらって」実践をしようとします。

 

映画では北斗が袈裟のようなものを着て、ろうそくやお供え物を準備し、「いかにも儀式やります」という様子を見せていました。

 

しかし、実は原作ではタブレットで暗号化された文字を使って儀式を行っており、意外と現代的?なやり方を見せていました。

 

原作では「解呪の儀式は本当だったが、失敗するように仕組んだ」と北斗が告白をしていました。

 

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い ⑤由里子の最期の姿が異なる

 

私が原作小説で一番グロテスクだと感じたのは北斗が亡くなった由里子に対して行った行為でした。

 

割れたガラスの破片が刺さり、亡くなったと思われる由里子ですが、その後北斗は由里子を連れ去ってしまいます。

 

北斗は電話で雄司に「僕が食事を作ったんです。」と言い、「由里子はどこにいる?」という雄司に対して「いない。食べちゃったから」と恐ろしい言葉をさらっと言います。

 

た、食べた…!?

 

そして雄司が北斗に再会した時、そこに見つけたのは由里子の変わり果てた姿でした。

 

全身が真っ黒こげとなってしまい、結婚指輪で由里子と判断ができるものの、左ももは体が一部切り取られてしまった…とかなりショッキングな描写でした。

 

 

これ実写映画でやれるのか…?と恐れていたのですが、映画では由里子の亡骸は石に積まれた中にあり、黒焦げの姿がありませんでした。

 

(ちょっとほっとした)

 

しかし、原作で北斗の由里子を「食べた」という衝撃的な発言の方が彼の狂気性を感じさせると感じました。

 

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い ⑥北斗の「お前邪魔なんだよ」のセリフは原作にはない

 

予告で北斗が雄司に対して「お前邪魔なんだよ」というセリフがかなり話題となっていましたが、

 

原作を読んでみてこのセリフはないことに気付きました。

 

由里子の遺体を前にして北斗が雄司に対し、胸倉をつかんで言うこのセリフは北斗の狂気性と由里子への執着をより表現しています。

 

原作は原作でかなりハードに殴り合い、北斗も雄司を殴りつけており、お互いボロボロの状態となっていました。

 

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い ⑦千弥子の妊娠の有無

 

貞市が生きている世界で登場した貞市の孫の千弥子ですが、映画では佐伯日菜子さんが演じられていました。

 

しかし、原作の千弥子は妊娠をしており、「高齢出産になったが祖父に曾孫の顔をみせてあげられる」という表現もあり、おそらく30代後半~40代で妊娠をしたことがうかがえます。

 

貞市が生きるのかどうかの生存競争の世界は、久喜家の中で雄司が生きるのか、千弥子が生きるのか、という生存競争の世界でもあった、というのがお互いの世界の境界線を見せることで推測ができました。

 

原作では千弥子が妊娠をしているということから「執着が強かった」からこそ雄司に生存競争で勝った、ということも見方もできますが(原作の世界では雄司は事故で亡くなっている?)

 

映画では両方が成人した上で共存しているので、異なる世界(パラレルワールド)と考えた方がすんなり納得ができそうです。

 

 

火喰い鳥を、喰うの原作と映画の大きな違い ⑧原作では描かれなかった雄司の結末

 

今作の最も異なる部分は重要な結末です。

 

原作では久喜家に北斗が訪れ、千弥子に挨拶をして「これから新婚旅行なんです」と由里子を紹介するシーンで終わりました。

 

映画でも北斗と由里子が2人で久喜家を訪れるシーンは描かれたものの、その後に雄司がプラネタリウムに勤務をしており、由里子と駅ですれ違いお互い見つめ合う…というラストでした。

 

原作を読んだ限りでは雄司は14歳の時の交通事故で父と祖父とともに亡くなっている、と予想がしていたので、映画のこの結末は意外でした。

 

映画では雄司と由里子の夫婦の結びつき、夫婦愛も大きなテーマとして描きたかったのでしょう。

 

このラストシーンは主人公の雄司の救いにはなったものの、原作の解釈に大きな矛盾が生じてしまうため賛否両論がありそうなラストシーンだと思いました。

 

 

 

 

映画「火喰い鳥を、喰う」の映画と原作の大きな違いはグロテスクなシーンの有無

 

「火喰い鳥を、喰う」の原作小説は黒焦げの遺体などグロテスクな表現があり、私も実写映画の前に一読して震えていたのですが、

 

実写映画ではそうしたグロテスクなシーンは控えめになっていました。

 

多くの方に楽しんでもらえるように配慮をされているのでしょう。

 

そのため、グロい表現や怖いシーンが苦手な方でもそこまで気にせずに楽しめると思います。

 

 

 

 

まとめ:「火喰い鳥を、喰う」の原作小説と映画の違いは複数個所あり!映画オリジナルな結末も

 

火喰い鳥を、喰うの原作小説と実写化映画の大きな違いだと感じたのは下記の通りです。

 

 

①原作では玄田が久喜家で自殺未遂をする

②原作では伊藤家と墓の石材屋に北斗と行く

③原作では車で与沢が亡くなったのを3人が目撃する

④解呪の儀式の方法が異なる

⑤由里子の最期の姿が異なる

⑥北斗の「お前邪魔なんだよ」のセリフは原作にはない

⑦千弥子の妊娠の有無

⑧原作では描かれなかった雄司の結末

 

 

その他、祖父の失踪と藤村家の火事の時系列が逆だったり、原作では由里子の弟の亮の出番がもっと多かったり、と異なるシーンは細かい部分も含めればいろいろあります。

 

しかし、原作小説のグロテスクなシーンは実写化にあたり、だいぶマイルドに表現されています。

 

 

ぜひとも原作小説、実写映画共にチェックをして違いを味わってみてください!

 

 

★実写映画のネタバレはこちら!

 

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