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虎に翼最終回!つまらなくなったひどい点とよかった点を振り返る

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2024年度の朝ドラ「虎に翼」が9月27日についに最終回を迎えました。

 

 

 

 

最初は面白く見ていた朝ドラなのですが、見ていくうちにどんどん「あれ?」と思うことが増えてしまい、私にとっては正直残念だなと感じてしまった朝ドラでした。

 

 

今回は私が半年間見てきたうえで「虎に翼」のひどい点、良かった点を改めてまとめてみました。

 

 

 

 

 

 

私が感じた虎に翼のひどい点、やばい点4つ

 

虎に翼は日本初の女性弁護士、そして裁判官になった女性をモデルとした寅子を主人公として描かれてきました。

 

ストーリーが進むにつれて、寅子の話ではなくドラマとしてはどうなの?やばくない?と思うような展開が多くなってきてしまいました。

 

私が感じた虎に翼のこれひどい!やばい!と感じた点は主な4つです。

 

 

虎に翼のここがひどい ①とにかく詰め込みすぎ!

 

脚本の吉田氏が「後半はぎゅうぎゅう詰め」と言っていただけありかなり詰め込みすぎて内容に頭がついていけず、ポカーンとしてしまうことが多かった終盤。

 

 

これってドキュメンタリーでしたっけ???って思うほど、新聞記事とナレーションでの説明が多く挟まれ、何が何だかよくわからないまま15分終わる…という日もありました。

 

・女性法律家への差別発言

尊属殺人裁判

・公害問題

・ブルーパージ(リベラル派の弾圧)

少年法改正

 

など…一般人にはなかなか理解しがたい問題も多かったです。

 

法律がテーマなので、ある程度難しい話題も出てくるのは仕方ありませんが、それを誰にでもわかりやすく伝えるのが朝ドラとしての意義なのではないかと思います。

 

さらに時事ネタだけではなく、寅子の周りの登場人物についても詰め込みすぎ問題は続きます。

 

 

特に違和感を感じたのがのどかの結婚と優未の中退問題について。

 

 

のどかが結婚相手を連れてくるという日、航一に優未が大学院中退のことを相談しているのです。

 

優未おまえさ、義姉の恋人連れてくる日なんだからタイミング考えろよ。。

 

 

よって優未の中退問題ものどかの結婚問題もごちゃごちゃしたまま流れてしまい、いったい何だったのか…。

 

 

どちらも将来を決める大事な話題だっただけにもっと落ち着いた中で見たかったのにひどすぎると思いました。

 

 

虎に翼のここがひどい ②美佐江と美雪の「どうして人を殺しちゃいけないの」の問い

 

新潟で出会った地元の実力者の娘の美佐江は優等生でありながら、実は裏で友人たちに売春や窃盗を行わせていたことがわかります。

 

 

結局罪に問われず、美佐江は東京大学に進学したことで寅子の前から消えます。

 

 

その後、うり二つの少女として寅子の目の前に現れたのが娘の美雪でした。

 

 

美雪も友人を突き飛ばす、さらに実は売春教唆などの犯罪を犯した罪で家庭裁判所に関わることになりました。

 

 

そして母の美佐江と同じ質問を寅子にします。(かなり唐突に)

 

「どうして人を殺しちゃいけないの」

 

その問いに関して寅子は下記の返答をしました。

 

「奪われた命は元に戻せない

死んだ相手とは言葉を交わすことも触れ合うことも何かを共有することも永久にできない。

だから人は生きることの尊さを感じて、人を殺してはいけないと本能で理解している。

それが長い間考えてきた私なりの答え

 

理由がわからないからやっていいではなく、わからないからこそやらない。

奪う側にならない努力をすべき。」

 

 

 

 

彼女なりに考えた回答なのでしょうが、裁判官として法律に絡めて話すのかと思ったらまったくの感情論であったことに驚きました。

 

 

もちろん即答できる問いではないにしろ、小学生の道徳の授業の回答じゃないんだからさ…。

 

 

 

父親に強姦されるというまさに地獄の環境を抜け出すためにやむを得ずに父を殺した美位子と絡めた話をするのかと思いきや、特にそういうわけではなかったようです…。

 

(なんのために三淵さんに関係ない尊属殺人をやったのか…)

 

それに本ドラマでは亡くなった人の幻影が現れてくるシーンが多発しており、ドラマ内の演出とはいえ言葉を交わしており、矛盾が発生しているようにも思います。

 

美佐江は一応「自分が特別だということを証明したかった」ということで近くにいる人間を手玉に取り、犯罪集団を作っていたように感じますが、(それもまあ実際よくわかかってないが…)

 

美雪が母と同じ犯罪を犯してしまったのはなぜなのかがまったく見えず戸惑いました。

 

しかも東京でそれをやるって美雪のほうがすごい気が…。

 

 

結局美雪と寅子の対決を作るために持ち出した都合的な展開にしか感じません。

 

 

結果的に美雪は更生施設?に送られ、再度審判にかけられたところ「祖母が見守ってくれるから」という理由で不処分となりました。

 

自分が流されて売春や窃盗をしていたのならまだしも、他人に犯罪をそそのかしていたとなれば、相当な重大犯罪者ですが、そこについてはスルーなんかい!と驚きました。

 

自分のせいで犯罪に手を染めることになった少年少女たちに責任を感じるような言葉もない美雪を本当に許していいのでしょうか。

 

美佐江と美雪を演じていた金子凛さんの影のある演技の素晴らしかっただけに、エピソードの作り方が下手すぎてもったいないなと思いました。

 

 

 

 

虎に翼のここがひどい ③重要な問題がうやむやになんとなく終わることが多い

 

 

最終週に取り上げられたのは少年法改正」ですが、モデルとなった三淵さんも家庭裁判所の母と言われていただけあり、少年法の厳罰化には反対されていたそうです。

 

 

モデルとしての人生を尊重するのであれば、彼女が人生をかけて行ってきた少年法の厳罰化反対についてはもっと丁寧に深堀して描くべきだったと感じています。

 

 

「少年たちに必要なのは厳罰化ではなく対話と歩み寄り」として一貫して反対していた寅子ですが、

 

家庭裁判所で寅子が少年たちに歩み寄っている姿がほとんど描かれていないため、まったく響いてきませんでした。

 

 

寅子は膠着し続ける会議で「愛について語りましょう」と言ってうやむやにし、結局ナレーションで説明し終わるといういつもの展開…。

 

 

シリアスな場面で愛ってなんだよ!(怒)

 

 

(そういえば多岐川がやっていた愛のコンサートも意味不明すぎたけど)

 

 

愛が伝わって少年の犯罪が少なくなるのであればちゃんと教えてほしいですし、実態をきちんと描いてほしかったです。

 

 

このドラマの残念なところは法律ドラマなのに法律よりも自分の感情を優先している法律家がいることだろうなと思いました。(主人公はじめ)

 

 

 

 

虎に翼のここがひどい ④登場人物の心情やその後がわからずもやもやする

 

 

朝ドラでは半年間という長い期間を通して、主人公、そしてその周りの人たちの人生を一緒に寄り添い、それぞれの成長を見守るところが一番の見どころです。

 

しかし、残念ながら「虎に翼」では「え?それからどうなった?」が多すぎてかなり消化不良でした。

 

今のところざっと思いつくだけで下記の通り…

 

・新潟の友情結婚の部下たちは結局結婚したのかな

・花枝ちゃんと玲美の同居はうまくいったのかな 

・出産後の秋山はどうした?復帰したかどうかだけでも教えてくれ

・百合さんはちゃんとベビーシッター勤めていたのだろうか

認知症を発症した百合さんはどこまで進行してどのように介護をしていたのか

(当時は介護制度も今ほど充実していなかったはず)

笹寿司のおっちゃんはどうなった?道男が介護もしているのか?

竹むらのおじさんおばさんはどうなった?お店乗っ取られて引退したのか…

・梅子さんの息子たちはどうなったのか…せめてかわいかった三郎が愛人とそのまま付き合っているのかだけでも教えてくれ

・のどかの結婚相手はどんな絵を描いてニューヨークで個展を開くことになったの?

・ヒャンちゃんの朝鮮人を救う仕事は順調にできたのか

・朋一はちゃんと棚一になったのか

 

 

など、「その後どうなったの~!!」にもやもやすることが多すぎてイライラが溜まっていくドラマになってしまいました。

 

 

★虎に翼、あれどうなったの問題についてまとめた記事はこちら

 

dramalife-blues.hatenablog.com

 

 

私が感じた虎に翼のよかった点、面白かった点

 

悪いポイントばかり挙げてしまいましたが、私も最初は面白く見ていましたし、社会問題を取り上げることで改めて考える機会にもなりました。

 

私が見ていて感じた虎に翼のいい点4つをご紹介します。

 

虎に翼のここがよかった ①今までの当たり前の価値観を「はて?」と問い続ける寅子の姿勢

 

虎に翼の前半は私も楽しく見ており、寅子が当時当たり前とされていた価値観を「はて?」と疑問に感じ、立ち向かうところに爽快感を感じました。

 

嫁に行くのが当たり前だった時代にお見合いを「はて?」と断り(正確には断られ続け?)

 

当時女性としては珍しかった法律家を目指し、自分の力で進んでいこうとするところに勇気をもらえるシーンもありました。

 

しかし、脚本家の吉田氏の思想かな?というのがどんどん入り込むことで寅子の「はて?」にもイラつくようになってしまったのは残念です。

 

(やばい、褒めポイントなのにディスってしまった…)

 

 

虎に翼のここがよかった ②過去の重大事件や家庭裁判所などについて知ることができた

 

虎に翼ではモデルの三淵さんが関わった原爆裁判や少年法改正なども描かれます。

 

こうした歴史上の重大な法律の動きについてドラマを通じて知ることができたのは良かったと思います。

 

尊属殺人についても概要だけは知っていたものの、どのような経緯で違憲判決が出たのか、という流れも調べ、当事者の悲痛な気持ちや彼女を守ろうと尽力した弁護士の存在も改めて知りました。

 

また、お恥ずかしながら私自身家庭裁判所というものが普通の裁判所と何が違うのか全然わからず、寅子の仕事を見て理解が進んだ気がします。

 

少年事件には調査員がいて、家庭環境などを調査した上で少年たちが更生できるのかどうか判事たちが決めていく、という流れも初めて知ったので勉強になりました。

 

まあもっと具体的にどんな調査が行われて、どんな審判を下していくのかという中身を知りたかった、というのは本音ではありますが…。

 

(いかん、やはりマイナスポイントになってしまう~)

 

 

虎に翼のここがよかった ③憲法14条の意味の再確認

 

このドラマは戦後制定された日本国憲法の意義を改めて伝えてくれており、その点はグッとくるシーンがありました。

 

特に山田轟法律事務所にデカデカと書かれている

 

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 

という平等について書かれた条文はこのドラマを進めるうえでの核となっていると思いました。

 

 

現代を生きる私たちは何気なく生きているけれど、すべてこの「人は平等」という憲法に守られていることに改めて気づかされました。

 

折しも現在、自民党により日本国憲法が改正されようとしており、寅子たちが大切に積み上げてきた基本的人権などが奪われようとしています。

 

 

 

そんなタイミングで改めて現行憲法の尊さを伝えてくれた点はこのドラマの意義だと思いました。

 

 

虎に翼のここがよかった ④俳優陣の名演技

 

私の中で残念な朝ドラになってしまった「虎に翼」ですが、それでも出征する優三さんが変顔して寅子と別れるシーンは何度見ても泣けてしまう名シーンだと思います。

 

お兄ちゃんの「俺にはわ・か・る!」も大好きで、何回もリピートしてしまうほどでした。

 

(あの頃はよかった…)

 

 

 

 

 

脚本に疑問は感じつつも、寅子を演じる伊藤沙莉さんの思い切った演技は見ていて気持ちよく、彼女の豊かな表情ではなければ見ていられないドラマになっていたかもしれません。

 

彼女の次回作が素晴らしい作品に巡り合えることを心から願っています。

 

 

まとめ:朝ドラ「虎に翼」は正直なところひどいドラマだった!このドラマでの意義もあり

 

 

私の個人的な感想としては「虎に翼」はいろいろとひどい点があり、見ていてイライラする場面が多かったドラマでした。

 

 

しかし、ドラマ内で寅子が当たり前の価値観に疑問を持ち突き進もうとする姿や、日本国憲法の素晴らしさを改めて再確認させてくれた点は意義があったと感じます。

 

 

次回同様にお仕事朝ドラを作る時には、もっとそれぞれの登場人物を深堀りするドラマを描いてほしいと思います。

 

 

★8月までの虎に翼の感想記事はこちら!

 

dramalife-blues.hatenablog.com

 

★虎に翼あれどうなった問題について

 

dramalife-blues.hatenablog.com